二重の秘密ならここへ

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林齢構成から見て、関東地方でスギ花粉は今後さらに増加し、ここ数十年は気象条件などがよければ多い状態が続くと見られる。
臨床的にスギ花粉症患者の大多数はヒノキ花粉抗原の皮膚反応が陽性に出る。 その陽性率は著者のデータでは八○%、A耳鼻咽喉科医院のA・T氏のデータでは七六%であった。

またヒノキ花粉特異IGE抗体もスギ花粉症患者の六○・四%で陽性に検出されたという私のデータもある。 さらに日常の臨床でも、スギ花粉の飛散が終わったはずなのに症状がまだ続くという例も少なくない。
これはスギ花粉の飛散が終るころにヒノキ科花粉が飛散しはじめるからである。 では純粋なヒノキ科花粉症があるかというと、スギ花粉の飛散が広範囲に及び、量的にも圧倒的に多いわが国の現状では、まずないだろうと思われていたが、ごく最近の研究ではヒノキ科単独の花粉症が存在する可能性も出てきた。
ヒノキ科は分類学上、スギと同じマツ目で、日本ではヒノキ属、コノテガシワ属、イトスギ属、ピャクシン属、ショウナンポク属、クロベ属、アスナロ属の七属一六種が自生している。 なかでもヒノキ属のヒノキはスギと並んで重要な造林樹種である。
ことに最近では、スギよりヒノキを植林する傾向があり、針葉樹人工林面積の割合を見ても、一九八六年報告で二三・四%であったものが、一九九二年報告では二四・二%に増加している。 全国における空中ヒノキ科花粉数の調査成績を見ても、関東以西で多く、そのうえ、全国のヒノキ林の林齢構成を見ても、スギに比して若年層が多い。
したがって、これから雄花芽の着生が増えてくるものと思われる。 そしてその花粉はスギと共通抗原性を持つことなどから、今後はスギと並んで臨床的にも重要である。
ヒノキ科の花粉は球形で、大きさは三○必則後、花粉管口は単口であるが、スギに見られるようなパピラはない。 吸水して破裂しやすい点はスギと同じであるが、染色性はスギに比べると弱い。
光学顕微鏡レベルでは種まで同定することは困難で、空中花粉調査ではヒノキ科と一括されている。 この農薬を三○○倍に薄めて散布したところ、開花率が約一○%に低下し、雄花芽以外には影響の少ないことを認めた。
しかし農薬散布は暫定的な手段であって、将来的には品種改良で花粉の少ないスギを開発する必要があるというのがHらの意見である。

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